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都市農業:シンガポールの地産

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サステナビリティをテーマにした検索が減少していることが、ゲッティイメージズによるVisualGPSの調査をつうじてわかってます。ただし、この変化は、サステナビリティという抽象的な概念による検索から、具体的な問題解決策を明確に表現するビジュアルの検索へと推移するものであり、消費者にとって身近な話題をつうじて感情的なつながりを深めようとしていることが見受けられます。アジア太平洋地域の消費者にとって最大の懸念事項は、依然として気候危機となっています。これは世界的に見ても同様です。そのため、企業として気候危機の解決に取り組んでいる様子を示すことが重要になります。その方法の1つとして、持続可能な都市農業をつうじて示すことが考えられます。

高度に都市化された国家であるシンガポールは、食の安全とサステナビリティを高めるための重要戦略として都市農業を採用しています。土地が限られていることと食料輸入に大きく依存していることをうけ(食糧供給の90%以上が海外から)、政府は自国の食糧生産を増やすために都市農業を積極的に推進してきました。2019年にシンガポールは「30×30」という目標を掲げ、2030年までに栄養必要量の30%を自国で生産することを目指しています1

ゲッティイメージズでは、都市農業を可視化する需要の高まりをうけ、コミュニティ農場、ハイテク垂直農場、コミュニティガーデンという3か所の異なる撮影をシンガポールで実施して都市農業の多様性をカメラに収めました。この3タイプの都市農場の撮影には、シンガポールにおける食料生産状況の変化が反映されています。

整然としたコミュニティ農場では、異なる民族的背景や障がいをもつ多様な人たちのポートレート撮影を行い、小規模ビジネスの成功を目指して一緒に働く様子をとらえました。対照的にハイテク垂直農場での撮影は、非常に効率的で洗練された現代的環境を舞台にして、巧みに運営を管理してチームを指導するインド人女性起業家を起用した内容になっています。そして、コミュニティガーデンでの撮影は、暖かく居心地の良い雰囲気を醸し出す仕上がりになっており、持続可能なコミュニティを目指して積極的に貢献する住民が登場します。

都市農業の視点からとらえると、実感のわくかたちでシンガポールのサステナビリティに対する取り組みが見えてきます。革新、協力、コミュニティへの関わりによって地産食の未来が形成されている様子が、ここには映し出されています。

Gosling Gao
クリエイティブコンテンツスペシャリスト
情熱あふれるアートディレクター、そして、画像や映像の力を深く理解するビジュアル思想家として世界に純粋な思いを届けているゴスリン・ガオ。ビジュアル素材業界での幅広いキャリアをつうじて、スチール写真と映像の両制作で商用撮影のアートディレクションを数多く成功へと導いてきたほか、取り組みごとに最良の結果を出せるように、新進気鋭のフォトグラファーや経験豊富なビデオグラファーのガイドを担当。 ジャーナリズムとコミュニケーションを学んだ経歴をもち、メディア制作業界に特化した実績のあるベテランエディター。

出典
[1] EARTH.ORG

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